社長でも部長でも「長」とつく人の大きな役割の一つとして責任を取ること、なんですよね。今回は、そんなことをば。
責任を取る、そこにこそ、権力の源泉があります。つまり、組織は階層的に、末端がいて、階層の上の方に進むに従って、責任が大きくなります。そして、階層が下に降りるほどに、実働部隊となって動くし、その実働部隊のやったことについては、階層を伝わって上の方に流れてきます。
責任を取る、というのは、ある意味大変なことなのです。精神的にも、時には肉体的にも、また、実際に問題が起こった時には、金銭的にも負担が発生します。なので、責任を取る人ほど、金銭的なリターンも大きくなるし、また、有する権限も大きくなります。責任を負う、イコール、リスクをとる、ということと結びついてくるわけです。
この責任との付き合い方が上の人の見せ所でもあります。つまり、責任の大きさに恐れて下を縛れば縛るほど、下が働きにくくなって、疲弊し、その結果、儲けも少なくなります。逆に、どんっ、と任せてしまえば、日常業務の負担は減りますが、何か起こってしまう可能性も上がり責任を問われる機会も増えてきます。どこまで、下ができるか見極めて業務をふる、というのが肝要になってきます。
また、自分が長である時、部下に失敗があった時、責任を回避してはいけません。もちろん、場合によっては、説諭したり叱責したりすることはあるでしょうし、それ自体は仕方がない場合があります。でもそのあとは、きちんと責任を受け止め、事態の収拾を図るのが正しい「長」としてのあり方です。もし、責任が負えない、ということが予測されるのであれば、責任を限定するなり、「長」を降りるなり、ということが必要です。
責任を取る、ということは非常に重たく、時として逃げたくなることもあります。でもそれをグッと堪えて受け止め対処することこそ、責任を全うすることだと思います。