会計や税務をしていると、どうしても、請求書とか、領収書といった、証憑、つまり、紙に焦点が当たってしまうことがあります。ですが、本当に大切なことは、実態がある、ということなのです。
確かに、経理であったり、会計事務所だったりが、会計処理をするにあたり、証憑、つまり、紙の有無を気にします。紙がないと、「金額や内容がわかるものを提出してください」と言われること、あります。
じゃあ、紙があればいいのか、というとそんなことをはありません。そこには、実態が伴わないといけないのです。特に、横領であったり、粉飾だったりする場合は、紙を準備してあたかもそこに実態があるように見せかけます。実態がないことに対して会計処理や税務処理を行うと、それは、ほぼほぼ、犯罪行為となってしまいます。
あと、問題としては、実態をどう証明するか。おそらく、金額が小さい、とか、経常的に発生する取引であれば、紙だけで処理してもさほど問題はないでしょう。逆に、金額が大きい、通例ではない、企業にとって有利、といった条件がそろってくると、紙だけではなく実態も気になるところです。
このような場合は、どのように実態があることを説明するか、ということは意識しておく必要があります。とはいえ、実態があれば、どこかここかに痕跡が残るはずなので、それを丁寧に集めておく。メモとかもきちんと残しておく。自分が作ったメモは証拠力は低いのですが、とはいえ、ゼロでないので、準備はしておくといいでしょう。
ということで、会計や税務の処理の裏にはきちんと実態が存在している必要があります。また、実態を問われた時にきちんと説明できるようにしておくことが必要です。