中小企業の人事評価は社長の好き嫌い、という面が非常に強いです。それは致し方ない面があるのですが、とはいえ、従業員に対して好き嫌いを納得してもらう必要もあり、社内を安定化させる必要があります。今回はそんなことをば。
まず、大切なことはその好き嫌いが事業の発展に結びついている、ということです。例えば、社長にみみざわりのいいことを言う人が好き、となると、みんながみんな社長にとって耳障りのいいことしか言いません。失敗は絶対に許さない、と社長であれば、従業員は新しいことにチャレンジしないし、失敗の方向が上がっては来ないでしょう。なので、社長が好きなことが事業の発展に結びつき、社長が嫌いなことが事業の発展に結びつかない、とすれば、事業そのものは前に進みやすくなります。
好き嫌いの基準が明文化されていることです。その基準がわからないと、従業員は混乱してしまいますし、恣意的と感じてしまう、ということもあります。それを明文化する、それを公式化したのが、社是であり、理念であり、ビジョンであり、ミッションであり、経営方針であり、クレドであり、と見える状況になるということが望ましいです。明文化されていれば、それに沿って行動を作ればいいので、従業員としてはやりやすくなります。
最後に、本音と建前がない、ということです。明文化したものはあっても、実態はそれとは違うものである、というのは良くない、ということです。例えば、社是等に「失敗にめげず、常にチャレンジを」と掲げてあるにもかかわらず、失敗したら社長に檄詰めされた、人事評価でマイナスにされてしまう、、というようなことですね。こうなると、結局、本音の方を従業員はみてしまうことになり、社長の本音を探ろうという、大変な作業を強いられることになります。
3つ挙げたうち、多分、一番難しいのは、本音と建前です。どうしても、文章化すると、綺麗事が多くなります。ただ、経営者の感情として、全てをそれにそわせることも難しいでしょう。なので、この場合は、ある程度の本音を混ぜつつ、でも、明文化したら経営者であってもそれに従う、ということが大切だと思います。