監査報酬と独立性をめぐる諸考察

以前のブログで、監査は第三者から立場で財務諸表の適正性(正しさ)を検証する、と書きました。ただ、通常、監査制度は、監査をする人(通常、監査法人)はクライアント(監査を受ける側)からお金をもらいます。

そこで、よく言われることとして、「お金をもらっていて、公正な監査ができるか?」ということです。つまり、お金をもらっている以上、クライアントの言うなりにならざるを得ないんじゃないの?ということです。この批判には確かに一理あって、お金をもらうことにより、クライアントに遠慮してしまう、確かに考えられることであります。

これについては、以下のように反論を試みます。

まず、会計士は会計を業としているので、「正しさ」にこだわって業務をしています。そのことに誇りをもっているので、通常、自分の信念を曲げません。それに、どんな職業であっても、クライアントだからといって、必ずしも、言うなりになっているわけではなく、必要に応じて言い返したり、調整したりしております。それと同じことです。

また、監査業務を通じて、クライアントがよりよい会計、内部統制制度を遂行できるよう導くことが求められています(これを「監査の指導的機能」といいます。偉そうな言い方で恐縮ですが)。誤解を恐れずに言うと、この「指導的機能」を通じて、クライアントが適切な会計制度を運営できるように支援している、という側面もあると考えます。

ついでに付け加えると、お金をもらっていることのメリットとして、お金をもらっているので、ある程度はクライアントの立場を尊重しています。もちろん、いうべきことは言いますが、あまり無理なことは言わず、クライアントの言い分も理解して、それに沿うようにはしています。

というわけで、必ずしもお金をもらっている、から、といって、公正な監査はできない、とはならない、と考えておりますがいかがでしょうか?

最後までブログをお読みいただきありがとうございます

会計/税務/監査