会計監査を行う場合の、会計士としての倫理観、それとクライアントととのすりあわせ

久しぶりの会計、監査関連の投稿となります。ふと、会計士における倫理観について考える機会があったので、少し考えてみました。会計監査をしていたときに会計事象等についてクライアントと意見が合わなかった時の対応についてです。

事象の把握と会計処理の検討を

特定の会計事象、特に、クライアントの経営上大きな事象があった場合なんかですが、会計上も大きな検討課題となる場合があります。まずは、事象の詳細についてできる限り把握します。決裁資料、通達書、契約書、等の証拠資料を見ることはもちろんのこと、担当者から詳細な状況を確認します。その上で、まずは、自分が経理担当者だったときにおける会計処理を検討します。クライアントから会計処理が提示されていることもあるのですが、それはさておいて、あるべきというか自分なりにどう会計処理するか考えてみます。

クライアントの見解をじっくり聞く

その次は、クライアントがどう会計処理するか、それが会計監査人として受け入れられるかということを考えます。さきに、クライアントが検討している会計処理と監査人が検討した会計処理が整合している場合は、問題なく、受け入れることができるでしょう。

問題はそうでない場合。その場合は、まず、クライアントの考えを聞く、ということが必要です。基本的に、会計は判断が介入するものなので、必ずしもクライアントと監査人との考えが一致するとは限りません。会計はクライアントが主体的に実施するものであり、また、監査人も無謬ではないので、監査人の考えを一方的に押し付ける、というわけにもいかないでしょう。そのため、クライアントの考えをきき、それを議論を重ねることにより、調整する、ということも必要です。できる限り、クライアントの意向に沿う形に議論を整理したほうがいいのでしょう。

だめなものはだめという

とはいえ、時には、クライアントの意見の中には監査人として受け入れられないものがあることもあります。そういう場合は、勇気をもって”No”ということも必要です。ただ、クライアントも考えをもって会計処理を提示しているので、頭ごなしに言うのではなく、クライアントの考えを払いつつも、受け入れがたいことを伝える、という、心がけが必要です。

会計数値は単なる数値ではなく、意味があったりとかします。その意味をふまえて、こちら側の”No”がうまく受け入れられるようはからうのも監査人として大切なことと考えます。

まとめ

監査人をしていると時としてクライアントと意見が対立することがあります。その場合、まずは自分の考えを持つとともに、相手の主張を真摯に聞き可能な限り受け入れられるように議論を整理するよう努力することが必要です。そうはいっても、だめなものはだめなので、そういう場合は有機を持ってそれをクライアントに伝えることが必要です。

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