会計学とその近接領域、今回はファイナンスをとりあげます。ファイナンス、数字を扱うから、意外と会計学と近いような印象をうけますよね。
ファイナンスとは
ファイナンス、日本語に訳すと資金管理、ということになります。ようするに、その事業や資産からどれだけ資金を獲得できるか、もしくは、どのように資金調達をするべきか、ということを検討します。投資/資金調達というところで、定量化して、つまり金額という形で表します。この、金額で表す、というところが会計と一致しているところとなります。
具体的な検討領域として、M&Aにおける企業価値の評価、株式/債券等における資産の評価、借入/資本の最適比率の検討、投資案件の評価等があげられます。
未来の事象を取り扱う
ファイナンスの枠組みでは投資や資金調達の意思決定を定量的に扱います。ここでのポイントは、投資や資金調達を行った場合の結果を予測し、予測を意思決定に反映させる、ということになります。つまり、未来の事象を取り扱う、ということになります。財務会計は過去の事象を取り扱うことになるため、その点においてファイナンスとは異なります。
財務会計との接点
ここで、財務会計は過去を、ファイナンスは未来を取り扱う、としました。ただ、この2つの領域、完全に切り離されているわけではなく、それぞれの考え方を拝借しているところがあります。
財務会計において、資産の評価ということが問題となります。大体の場合は、過去に取得に要した支出額で評価されるのですが、時には、将来得られると見込まれるキャッシュフローに基づき評価することもあります。その場合は、ファイナンスの考え方に基づき、資産額が算定されることになります。
また、ファイナンスにおいて、企業の価値を図る、という場合には将来のキャッシュフローに基づき評価します。ただ、将来のキャッシュフローを評価するにあたり、過去の実績というものが予測の基礎となります。この過去の実績を把握するのに財務会計が役に立ちます。
まとめ
財務会計とファイナンス、いずれも企業や事業の状況を数値化してとりあげる領域です。ただ、財務会計は過去、ファイナンスは未来を扱う、という明確な違いがあります。ただ、必要に応じてそれぞれの領域の考え方は取り入れております。