上司と部下、往々にして対立がおこるものです。それは、上司と部下の相性である、とか、もしくはそれぞれの人柄も重要です。ただ、それだけが原因というわけではないので、ここではそれについて考えてみることにします。
見る側、手を動かす側の違い
一般的には部下が手を動かし、その結果を上司が見て指示をする、という構図になっています。往々にして、上司は手を動かさないことにより、どうしても内容をよくしたくなる傾向があります。そうすると、部下にもっとよくしろ、と指示が飛ぶことがあります。
一方、部下のほうは手を動かす方なので、時として「そこまで言わなくてもいいのに~。」と思ってしまうこともあります。また、自分が作ったものが否定されることにもなるので、その分も口惜しかったりします。
こう書いたですが、上司を批判しているわけではありません。手を動かしていると、どうしても見方が偏るので、それを別の視点から見るということは非常に大切です。
広く浅く、狭く深く、か
上司は、プロジェクト全体、部全体、チーム全体を管理する責任を負っています。そのため、全体を広く浅く見る、という見方をします。他方、部下は全体の中の一つのパーツ、役割を負っているため、その部分について狭く深くみることになります。そうすると同じものを見ていても、違った意見となってしまいます。
この場合、どちらが正しい、ということはないと思います。例えば、部下が見落としていることについて、上司が広い視点から拾い上げることもできます。他方、上司は部下ほどしっかりと細部まで理解しているわけではないので、上司の指摘が実は誤っている、ということもあります。
指示の内容を変えてしまう
上司がある指示をしても、色々な状況もあり、指示の内容を変えることがあります。上司の方では、理由があって必然的に変えたわけです。他方、部下にとっては、指示の内容が変わってしまうので、「前の指示はなんだったのだ。」とか、「せっかく、ここまでやったのに。」とネガティブな感情にとらわれてしまいます。
どう解消するか
では、このような対立点、どう解消すべきでしょうか。まずは、お互いがお互いの意見を言う、ということでしょう。上司であれば、指示をするときの背景を説明する、部下であれば自分の考えを理由を付けて述べるということです。上司は部下の意見にきちんと耳を傾け、それが納得できるものであれば部下にしたがう。また、上司が指示を変えるときはその理由を説明する。説明をして、それを合理的であれば、部下のほうは納得できるものです。これを、感情的にならずに建設的にできればベストです(なかなか、難しいときもあるのですが)。
それでも、対立点が消えない場合はどうするか。これは、よほどのこと(法令違反等)がない限り、上司の指示に従べのでしょう。なぜならば、その事象に責任を負うのは、上司であるから。権限と責任のバランスを考えれば、上司の責任が大きい分、権限も大きいとなります。また、上司としては、時として、部下が納得していなくても自分の権限を行使する必要があります。
まとめ
上司と部下、どんなに相性がよくても、対立が生じることがあります。そんなとき、感情的にならず、お互いの考えを交換すべきです。そして、判断の責任は上司が負う、ということをふまえ、上司、部下の意見を調整する必要があります。