まず前例踏襲、横並びを批判する前にそれが起こってしまう意味、理由を考えてみよう~合理性、経済性、説得容易性が高い

よく組織の中で生活していると「前例がない。」とか「他社例は?」という議論を受けることがあります。そのように拒否されるとあまりいい気分にはならないですよね。ここでは、なぜそのような考え方が生じてしまうか、背景を考えてみましょう。

合理性がある

前例、横並びといったものには実は合理性があります。つまり、前にやっていること、他でやっていること、についてはそれなりの理由があります。例えば、日頃付き合いのある取引業者は以前からつきあいがあり、それなりにいいサービスを提供してくれる、または、他社での価格のつけ方はマーケットの状況を勘案している、というような背景がありえます。そのため、前例、他社例を踏襲すると、それなりのメリットがあります。そのため、前例、横並びは時には合理的な選択となりえます。

経済性がある

前例、横並び、はコストがあまりかかりません。平たく言えば、楽です。前例であれば、過去にどのようなことをしたか記録/記憶があるため、どのようなことをすべきか、どのようなことが発生しうるか予見することが容易です。新しいことをすると、なにをするかを決めるのも大変ですし、どのような帰結になるか予想ができない面もあります。他社例も他社がしている、といことであれば、そこを取り入れることができるし、それをしている、ということで一定の合理性を予想できます。そのため、前例踏襲、横並びは一定の経済性があります。

説得容易性がある

前例、横並びは説得容易性がある。つまり、説得の材料として使いやすい、ということです。なにか、プレゼンをする、承認を得るときに、「他社さんでも採用していただいています。」や「前期はこのようにしていました。」ということを言うと、割とすんなりとOKをもらえることがあります。つまり、説得されるほうにも前例、他社例という一つの判断基準が与えられるので、受け入れやすいですね。説得容易性、これは前例、横並びの一つのメリットです。

まとめ

前例踏襲、横並び、とやかく批判されることも多いのですが、実はこういった隠れたメリットがあります。機会があれば、前例、横並びの問題点を考え、それとどうつきあっていくか、ということを考えてみたいと思います。

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