数字をチェックする、ということは、会計事務所であれば日常茶飯事です。いかに、チェックを早く正確にするか、、ということは、業務の品質を上げるためには必須です。今回は、そんなことを考えてみます。
原則的な考え方として、2つの方法で同じ数値が出たら、その数値は正しい、という考え方があります。同じ方法で数値を後追い的に検証しても、流れに乗ってやってしまう、というか、割とミスを見落としがちです。まあ、最も、複式簿記の仕組みは借方と貸方が一致することで、金額の妥当性を検証しているということがあります。
各論として、残高を合わせる、ということがあります。会計帳簿は、なされた仕訳を総勘定元帳に集計して、各項目を出します。そこで、誘導的に算出された科目残高が実際の残高に一致していると、まあ、正確かな、、と思います。残高を合わせるということだと、勘定残高と明細合計の一致、というのも同じことになります。
エクセルを紙に出して電卓に入れてみる、というのもあります。えっ、式入っているじゃん、と思いますが、電卓に入れるということは、エクセルの式で解くのとは別ルートになるので、電卓を入れて正しければ、その数値は正しい、という心証は得られるはずです。
会計システム等から出力される、アラートリストを検討する。アラートリストとは、入力された項目に不合理と思われる項目があると、それをリストという形で吐き出すようなものです。例えば、縦軸に勘定科目、横軸に課税区分をとって、かくセルに数字を集計していく。勘定科目にそぐわないような、課税区分となっているような場合は、ミスがあるかも、、という、想定があるので、そこの内容は注視してみる、ということでしょう。
細かく見ることと、ざっくり見ることをバランスさせる、ということです。一つ一つの取引について1個1個証憑を合わせていく、ということも、時には大切です。そうやって細かいところを見ながら、俯瞰するような目を持つ。例えば、仕訳帳や総勘定元帳を上からザーッと見る、申告書や決算書をザーッと見る。前期と当期の数値を比べてみる、等等。
あとは、チェックリストを作り、誤りやすいところ、チェックが漏れやすいところを中心にチェック項目をリスト化しておく。そのリストに基づき、ちょいちょい、と、チェックをしていくわけです。
あとは、一人ではなく、分担して作業する。例えば、入力する人がいて、チェックする人をもうける。難しい箇所は他の人にもチェックしてもらう、ということでしょう。
チェックする方法は色々あります。状況に応じて、方法を使い分け、効率的に、かつ、ミスを漏らさないようにしたいものですね。